デザイナーや企業は、意匠権の取得によって自己のデザイン力をアピールできます。
数年前から筆者がデザイナーの方にお薦めしている意匠権の活用例を紹介します。
意匠制度では、名刺のデザインも保護されます。
そして、斬新なデザインの名刺を創作し、意匠権を取得できれば、意匠登録番号およびその権利者・創作者名をその名刺に記載できます。
そのような名刺は、それを渡す相手方に対して、名刺の主のデザイン力と、名刺の主がデザインを法律で保護する知識を有していることを示すことができると考えられます。
ある意味、名刺のデザインについて、美感について国が認めていると考えることもできます。
いかがでしょうか?
登録例1 意匠登録第1502781号
【意匠に係る物品】名刺
【意匠の説明】本物品の表面は、写真フィルム調の区分線により写真欄と情報記載欄に区分されている。2本の区分線に挟まれる写真欄には、名刺本人の幼少期(5才以下)の写真及び同時代の風景写真のいずれか一方又はそれらの双方を使用し、写真の色はセピア色とする。裏面も写真欄と情報記載欄に区分されるが、写真欄には名刺本人の幼少期(5才以下)の写真を配し、その色はセピア色とする。本物品を使用することで、これを受け取った者との会話が進み親密度が増すなどのコミュニケーション促進効果が期待できる。
【表面図】
登録例2 意匠登録第1336498号
【意匠に係る物品】名刺
【意匠に係る物品の説明】本物件は名刺である。
【意匠の説明】本物件は、使用状態を示す参考図(正面図)の上左空欄にはタクシー会社指定の車両写真を、右空欄にはスポンサー会社名とQRコードを、その他の空欄には表記文言を入れ、裏面(背面図)にはスポンサーの広告を入れて、タクシーの乗務員がタクシーの乗客に渡す名刺である。左側面図は右側面図と同一にあらわれるので省略する。底面図は平面図と同一にあらわれるので省略する。
【正面図】
参考文献
寺岡秀幸 『近代中小企業』中小企業経営研究会 二〇一五年五月号「なぜ意匠権を取得するのか・実用新案制度について」