こういう大きなテーマを扱うと、長くなりがちで、且つ専門家以外理解できなくなります。
そこで、極力短く、大先生の言葉を引用して、一つの観点に絞って、みなさんにわかりやすく簡潔に書きます。
特許制度を代表して書きますが、商標制度等も同様です。
特許制度を実現するため、どのようなコストが必要か考えてみましょう。
- まず、特許庁を維持するコストが考えられます。
- そして、弁理士、弁護士、裁判官、特許関連団体等の人件費があります。
- さらに、企業の特許出願費用(年間約20万件)、特許調査費用、特許紛争費用等があります。
これらの、特許制度が無ければ不要になるだろう総支出が特許制度のコストです。
特許制度は、この膨大なコストを上回るメリットが日本国にあるとの前提で成立しています。
これが特許制度の本質だと思います。
あまりにも大きな考え方であるため、全ての制度に共通する考え方ですが、それが特許制度にも当てはまる、とお考えください。
参考文献
中山信弘 『特許法』(2008)弘文堂 P.10-11